予想天国

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 こんなコト、知る必要も書く必要もないのですが、時が流れ「あのときはこう考えていたんだなぁ」などと、自分を振り返るためのみの、自己満足備忘録なのです。



第17回 マイルチャンピオンシップ(G1) 京都 芝1600M 11/20発走

 生粋のマイラーが不在。これが、今回のポイント。つまり、スプリンターVS中距離馬ということです。過去、マイルCS→スプリンターズSを連覇したのは、あのタイキシャトルのみ。これは、マイラーがスプリンターズSを勝てないのか、またはスプリンターがマイルCSが勝てないのかのどちらかですが、後者だと推測できます。マイルCSの勝ち馬を見ると、ある程度、(長い)距離に融通の利くタイプが揃っています。ダイタクヘリオス、シンコウラブリィ、ノースフライト、ジェニュインなど。これに対し、スプリンターズSの勝ち馬は、マイルでは勝てないタイプが揃います。今年から、スプリンターズS→マイルCSと順番が入れ替わりましたが、この傾向は変わらないと思います。

 1800〜2000Mで良績のある馬を挙げると、ヤマカツスズラン(秋華賞=2000M・2着)、ダイワカーリアン(札幌記念=2000M・1着、など)、メイショウオウドウ(毎日王冠=1800M・2着、など)、キングヘイロー(皐月賞=2000M・2着、など)、アンブラスモア(小倉記念=2000M・2着、など)、ダイタクリーヴァ(皐月賞=2000M・2着、など)、ジョービックバン(中山金杯=2000M・1着、など)、がいます。これに対し、1200〜1600Mでのみ良績がある馬は、エイシンプレストン、ダイタクヤマト、シンボリインディ、ブラックホークとなります。ただし、エイシンプレストン、シンボリインディに関しては、マイル戦の実績が群を抜いているため、一概にスプリンターを決めつけることはできないかもしれません。
 スプリンターズS出走組を見てみると、ダイタクヤマト、キングヘイロー、シンボリインディ、ブラックホークがいます。シンボリインディ以外は、1200MのG1勝ちがあります。しかし、そのシンボリインディは 1600MのG1勝ちがあります。展開が向いたとはいえ、圧勝だったダイタクヤマト。不利な内枠だったが、3着に食い込んだブラックホーク。休み明け2戦とも惨敗のキングヘイロー。ただ、雨、渋った馬場という敗因があるにせよ、いかにも負けすぎ。ただ、ハイペースが予想されるため、展開には恵まれる可能性がある。距離はあまり関係ないでしょう...最近ズブくなったブラックホーク。逆にマイルのほうが有利か?収拾に困るのがダイタクヤマト。スプリンターズS勝ちにより、格がついてしまった印象。この勢いで、あっさりマイルも制するかも?
 1400MのスワンS出走組は、ダイタクヤマト、シンボリインディ、マイネルマックス、エイシンプレストン。面白いのは、これらの馬は中距離に実績がないこと。あくまで、スプリンター同士の決着であったこと。ダイタクヤマトは、逃げずに楽勝した。レース運びの幅が出てきたことから、今回も2、3番手に控える競馬が可能となった。同斥量にもかかわらず、シンボリインディはダイタクヤマトに子供扱いされた。200Mの距離延長で逆転可能か?
 1600Mの富士S出走組は、ダイワカーリアン、ダイタクリーヴァ。絶好調のダイワカーリアンに対し、ダービー以来だったダイタクリーヴァ。これで、0.2秒差だったわけだから、ダイタクリーヴァのほうに魅力を感じる。ただ、体重が減っているのは気になる。引き続き好調のダイワカーリアンは、怖い存在。
 変わったローテーションは、天皇賞・秋からのメイショウオウドウ、秋華賞からのヤマカツスズラン、宝塚記念からのジョービックバン。福島民法杯からのアンブラスモア。メイショウオウドウはいきなりの路線変更。掛かる気性のため、マイルは合いそうな気もするが、そんなに甘くないのもまた事実。節操のない使い方と、マイルにも対応できるという調教師の無責任発言に反発する意味で、今回は見送り。当初、キングヘイローも節操ない使い方の犠牲になったが、その後の努力(?)のおかげで花を咲かせた。という意味からも、いきなりは無理なはず。2000Mでも好走したヤマカツスズランは、マイルという的距離からも、ここでも勝ち負け可能な位置にいると思われる。ただ、同型の逃げ馬が揃うため、展開的にキツい。経験も浅いため、今回のような厳しいレースでは、力を発揮できないかもしれない。が、1枠1番という枠順と、ダイタクヤマトが控える可能性が高いため、単騎で逃げれば面白い存在となるはず。ま、これもダイワカーリアンとアンブラスモアの出方次第だけど。ジョービックバンは天皇賞・秋を目標としていたが、中間でアクシデントがあったため、急遽このレースに変更した経緯がある。宝塚記念3着の実力は認めるものの、メイショウオウドウではないが、こういった使い方はキライなので、反発する意味で見送り。宝塚記念以来、というローテーションも不利。福島帰りのアンブラスモアは、なぜここに出てきたの?と思わせる。マイルは距離不足だし、スローなペースで逃げて直線で我慢するレースを得意とする同馬にとって、厳しい流れの同レースは、明らかに場違い。ただし、この馬の存在によって、極端に遅いペースになることも予想でき、過去の傾向が壊される可能性もある。

 展開を読んでみる。逃げ馬が揃ったからハイペース=差し・追い込みが有利、というのは安直な考え。ハイペースとなるのは、逃げ馬同士が競り合った場合か、逃げ馬自身がハイペースを作る場合。最近、人気となった逃げ馬は、同型の馬がいる場合は控えることが多い。そういった意味では、ダイワカーリアン、ダイタクヤマトは控える可能性が高い。ダイタクヤマトなどは、前走で予行演習まで行っている。おそらく、逃げなければ持ち味が出せず、また人気もなく気楽な立場のアンブラスモアが逃げると思われる。問題はヤマカツスズラン。最内枠なので、ヘタに控えれば包まれてしまう。そこで、逃げるつもりでスタートし、もしアンブラスモアが来れば行かせるといった作戦をとるのではないかと思う。つまり、スタート直後はハナを切るが、ジワジワとアンブラスモアが上がってきたら、それを先に行かすといった具合である。アンブラスモアが来ない場合、マイペースの逃げに持ち込むと考えられる。アンブラスモア、ヤマカツスズラン、どちらが逃げるにせよ、両馬ともにガンガン行くタイプではないので、極端なハイペースとはならない。といった推測から、巷で騒がれているようなハイペースは考え難く、そうなった場合、思いの外、差し・追い込みの有利さというのが疑問になってしまう。ハイペースで有利だと思われているのがキングヘイロー、エイシンプレストン、逆に不利だと思われているのがダイタクヤマト、ダイワカーリアン、ヤマカツスズランである。人気がこれを物語っている。配当の絡みからも、キングヘイロー、エイシンプレストンは見送りということになる。となると、先行馬のポイントが上がってくる。さほど速くない流れを、先行できる馬というのは、やはり魅力である。ダイタクリーヴァ、シンボリインディ、ブラックホークは、比較的外枠なため、他の馬を見ながら、さほど速くないペースもおかげで、思い通りの位置につけることができそうである。ハイペースにならないことは、最近ズブくなってきたブラックホークにとっては、かなりありがたい事である。ただ、マイルは微妙に長い同馬にとって、大外枠というのは、それだけ余分な距離を走らされることになり、最後の最後で止まってしまう可能性がある。1番人気ということもあり、思い切って見送る。ダイタクリーヴァ、シンボリインディに関しては距離不安もないし、展開面からは、最も恵まれることとなりそう。

 以上、残った馬は、ヤマカツスズラン、ダイワカーリアン、ダイタクヤマト、ダイタクリーヴァ、シンボリインディ。今回のポイントである、スプリンターはマイルCSを勝てない、という理論から、ダイタクヤマトを見送り。残りの4頭で勝負。



第61回 菊花賞(G1) 京都 芝3000M 10/22発走

 ま、2頭で決まると思ってます。アグネスフライトとエアシャカールで。夏場、これといった馬が登場していないこと、負けたとはいえ、前記の両馬が順調なスタートを切ったことが理由です。となると、ワイド3着狙いです。
 例年と違い、トライアルが2戦。セントライト記念と神戸新聞杯です。まず、セントライト記念から。このレースの出走馬は、全頭、用無しです。というのは、1勝馬であったアドマイヤボスに負けているから、です。人気になっているトーホウシデン、ジョウテンブレーヴですが、底が見えている感じです。ま、成績を見ると堅実ですが、それは武器にはなりません。それであれば、底を見せていない、無実績馬に魅力を感じます。ホワイトハピネス。神戸新聞杯では、5着と負けていますが、これが重賞初挑戦、しかも休み明けですので、これだけ走れば文句ないでしょう。更なる上積みに期待し、なんとか3着までに入ってもらいたい。あとは別路線組、というか、未勝利を勝ったばかりのゴーステディ。実績は無に等しいのですが、逃げを打つような展開になれば、面白い存在になると思います。逃げなくても、マイネルビンテージの2番手でも構いません。後方から来るアグネスフライトとエアシャカールを警戒し、逃げた馬の前のこりがあるかも知れませんので。こちらも、底を見せていないという意味では面白いと思います。
 どのみち、2頭のマッチレースとなることは間違いないでしょう。その後ろでの、熱き3着争いに注目してみたいと思います。



第5回 秋華賞(G1) 京都 芝2000M 10/15発走

 荒れるので有名なこのレース。さて今年は...
 過去4回行われて、順当に決まったのは1回だけ。あとの3回は、すべて万馬券。去年なんぞは、あと一息で10万馬券に届きそうだった。なぜ荒れるのか。2つのパターンがあると思う。桜花賞、オークス馬に人気が集まり、それが負けた。実力馬が人気を下げ、それが勝った。ファビラスラフィンなんかは、典型的な後者ですね。今年は、桜花賞馬、オークス馬が揃って出走している。どちらも休み明けとかではなく、順調にトライアルを使われている。では、これらで決まりなのか?メジロドーベル(オークス馬)−キョウエイマーチ(桜花賞馬)で決まったこともある。が、こいつらはトライアル圧勝である。かたやシルクプリマドンナ、チアズグレイスは、それぞれ4着5着。トライアルとはいえ、情けなさ過ぎる。ちょっとした見せ場はあったものの、500万下の馬に勝たれるようでは、ちょっと信頼はおけない。というわけで、人気を下げた実力馬を狙ってみよう。

 グランパドドゥ。わすれな草賞を圧勝し、オークスでは2番人気となった。そのオークスは5着に敗れた。秋はローズSから始動。何の見せ場もなく、11着に沈む。
 バイラリーナ。スイートピーSを圧勝し、オークスでは穴人気となる。しかし、11着に沈む。今回は休養明け。
 フューチャサンデー。2戦目にして重賞制覇。底知れぬ力の持ち主と思いきや、その後は惨敗続き。
 ヤマカツスズラン。ご存じ、3歳チャンピオン。骨折明けであったローズSは惨敗。距離不安も囁かれている。
 マニックサンデー。オークストライアルを重賞初挑戦ながら勝つものの、本番では惨敗。紫苑Sでは、格下馬に競り負けている。

 魅力的なのはヤマカツスズラン。実力的には文句なし。距離不安が言われているが、あのキョウエイマーチでもこなせた距離。能力があれば関係ないと見る。それと気になるのがフューチャサンデー。横典が乗っているせいもあるが、どうもクロックワークとかぶってしまう。あとは、マルターズスパーブあたりが怪しいのだが、前走は武豊の手腕で2着にもってきた感があるので、今回は苦しいか。

 なんだかんだ言っても、4歳牝馬。人気こそ当てにならない。



第34回 スプリンターズS(G1) 中山 芝1200M 10/1発走

 これまでは12月末、有馬記念の前週に行われていたが、今年から秋のG1シリーズ第一弾として行われる。そのためか、有力馬の休み明けが多いのが特徴となっている。これがポイントとなるか。
 G1馬6頭(海外G1を含むと7頭)が顔を揃える、なかなかのメンバーとなったこのレース。4連勝で初G1制覇を狙うビハインドマスク、一たたきされて調子上向きの実績馬ブラックホーク、マイネルラヴ。海外帰りのアグネスワールド。この4頭が中心となる。本来ならば有力馬となるキングヘイロー、マサラッキは休み明け。また、唯一の外国馬ベストオブザベストも休み明け。普通に考えれば、最初の4頭で決まりである。フツウに考えれば...

 ビハインドザマスク。前走セントウルSで4連勝。しかも、ブラックホーク、マイネルラヴを完封しての勝利は価値がある。が、本当の意味で、強豪が揃う今回はどうか。重賞勝ちはセントウルSのみ。メンバは揃っていたが、クビ差まで迫られたブラックホークは休み明けで59キロを背負っていた。今回、ビハインドザマスクは据え置きの55キロに対して、ブラックホークは2キロ減の57キロ。同馬は、ほとんど休み無く使われているのも気になる。また、追い込み馬には不利な1枠1番。最近好調の福永が、どう馬群を捌くか。
 マイネルラヴ。一たたきされ調子は上向き、調教も抜群。この言葉に何度だまされたことか。高松宮記念、昨年のスプリンターズS...一昨年と比べて、力が落ちているのは明白。せめて、セントウルSでは、ブラックホークに次ぐ3着は欲しかったところ。タイキシャトルを競り落としたのは、遠い昔のハナシなのだろうか...
 アグネスワールド。海外遠征帰り。厳密には休み明けではないのだが、3ヶ月近くもレース間隔が開いている。調整の難しい間隔ではないだろうか。また、ユーワファルコン、ジョーディシラオキという逃げ馬がいることから、この2頭を早めに捕まえにいく去年のようなレース展開となってしまうのでは。強力な追い込み馬が揃った今回は、前も後も注意を払う必要があるはず。枠順からブラックホークにマークされそうだし、そうなってくると、いかに武豊でもキツいのではないだろうか。去年2着とはいえ、坂のないコースのほうが、そのスピードが生かされると見て、中山コースというのもマイナスだと思う。
 ブラックホーク。調教も抜群だし、前走から2キロ減もプラス。距離適性、コース適性もばっちり。1枠2番が気になるが、その気になればハナをもきれるスピードの持ち主。横山典の乗り方ひとつにかかっている。
 その他はどうか。
 キングヘイロー。休み明け。鉄砲は利かないタイプだが、あえて休み明けで出てきたところが不気味。マイルCS狙いだろうか。馬券的に妙味があり、その底力に賭けてみたい。
 ベストオブベスト。唯一の外国馬。これも休み明け。過去の例からも、人気にならない外国馬は買い、である。勝つも負けるも、未知数。
 タイキトレジャー。これも休み明け。G1初挑戦、コース実績なしと不利が多い。が、調教ではすばらしい動きを披露していた。後藤の腕に賭けてみたい。

 正直に言えば、4頭が揃って消えることなどあり得ないと思う。ただ、これは競馬。的中だけを考えればそうかもしれないが、回収率をアタマに入れれば4頭中2頭、ないし3頭は切るべき。もっとも安定しているであろうブラックホークを残し、他は可能性に賭けてみた。



第50回 安田記念(G1) 東京 芝1600M 6/4発走

 上位人気が接近している、希にみる混戦模様である。ただし、冷静に考えれば、かなり絞れる。
 スティンガー。何と言っても、鞍上が気になる。最近、G1どころか、重賞にも縁のない田中勝である。前走の追い込みはすばらしかったが、あれは武豊の腕によるものが大きい。名手・岡部でさえ手を焼いた天才少女、田中勝には荷が重いだろう。この馬、2着と3着がないことから、勝つか凡走か、の1つである。今回は、ワイド軸にもならないと見る。
 ブラックホーク。距離。1600Mは微妙に長い。特に、東京のマイルである。前走の京王杯でも、最後はアップアップだった。200Mの距離延長は、明らかなマイナス。横典の強がりは?であるが、今回は見送り。
 シンボリインディ。これは、なぜ人気になっているか?である。過去の経験から、NHKマイルCの勝ち馬は、過大評価される傾向にある。タイキフォーチュンなど、しばらくは人気になったが、来たことありますか?あのときの強さは認めるが、何もプラス材料がない状態では、買うことはできない。
 キングヘイロー。これも鞍上。柴田善から福永では、ちょっちマイナス。たしかに、以前の主戦だったが、その成績故、柴田善に乗り替わったのだから。枠がもう少し外だったら、という気がするが、それでもマイルCS、スプリンターズSは福永だったのだから、まるっきり望みがないわけではない。対抗。
 イーグルカフェ。4キロもらいとはいえ、4歳馬は不利。連対の前例がない。NHKマイルCから、中3週というのも不利のような気がする。ただし、突出したマイラーがいないのも事実で、それであれば4歳マイルチャンピオン(現時点)でも勝負になると見る。単穴。
 アドマイヤカイザー。実績。重賞勝ちもない馬で、いきなりのG1は無理だろう。と思ったが、去年のエアジハードは重賞初勝利が安田記念であった。それも、グラスワンダーを競り落としてのもの。とすれば、実績は割り引いてもいいのでは?幸い、鞍上は強力だし、レース展開も見方するはず。思い切っての本命。
 ウメノファイバー。これもなぜ人気になっているのか?です。以前は、距離は長いほうがいい、と口を揃えていたのに、なぜにマイルなの?って感じ。去年は、JCに挑戦させたのにね...こういった、一貫しない使い方は、個人的にキライなので見送り。
 その他、気になる馬は、フサイチエアデールとエイシンルバーン。



第60回 桜花賞(G1) 阪神 芝1600M 4/9発走

 圧倒的な1番人気、サイコーキララをどうするか?これが、今回のカギのような気がする。デビュー以来、負け無しの4連勝。アタマひとつ抜けている存在のようだが、本当にそうなのか?ひねくれてはいるが、こんな観点から予想を組み立ててみよう。


 重賞実績を見てみる。重賞勝ちは6頭。ベルグチケット、アルーリングアクト、ジョーディシラオキ、サイコーキララ、エンゼルカロ、フューチャサンデー。すべて1勝。うち、4歳での重賞勝ちは、ジョーディシラオキ、サイコーキララ、フューチャサンデー。
 ジョーディシラオキは、桜花賞に最も直結すると言われているチューリップ賞を勝っている。ただし、重馬場、人気薄で勝ったことから、評価は低い。ノーマークでの逃げ、渋った馬場のため逃げ先行有利、などもあり、かなり有利な条件だったのは確か。だが、中央入り2戦目での重賞制覇は評価してよいのでは。このときの2着がレディミューズで、こちらの評価が高い。不利な条件にも関わらずの2着確保、が原因か。シンコウラブリィの娘、岡部騎乗を併せても、現時点での3番人気は疑問。
 サイコーキララ、実は前走が重賞初制覇であった。本番まで中3週となる4歳牝馬特別を使ったことは、ローテーション的にはよいのでは。早めに動いたため末が甘くなった感じだが、きっちりと勝ったのはさすが。ただ、勝ち馬以上に印象的だったのが、2着シルクプリマドンナと、3着エアトゥーレ。特に、シルクプリマドンナは、初芝、また道中追いっぱなしという不利な条件にもかかわらず、勝ち馬に1馬身差まで迫っている。エアトゥーレは、完全にトライアルと割り切ったようなレースぶり。鞍上の腕か、たまたまか、権利もない状態でよくやるよ、という感じだ。今回はともかく、可能性という意味ではシルクプリマドンナ、エアトゥーレに軍配が上がると見た。
 クイーンC勝ちは、フューチャサンデー。なんと、2戦目での重賞勝利は立派。この馬も、サイコーキララ同様、デビュー以来無敗。先が楽しみな馬である。

 今回、人気上位馬のキャリアが浅い、というのが特徴。サイコーキララは4戦、シルクプリマドンナは3戦、レディミューズも3戦、フューチャサンデーは2戦、エアトゥーレは4戦で桜花賞に向かう。キャリアの浅さも、能力で補えるということか。ただし、重賞勝ちのある2頭を除いた3頭は、前走の印象だけの人気という見方もできる。過信は禁物では。また面白いのは、前走が初芝だったのが、シルクプリマドンナ、レディミューズ、フューチャサンデー。いずれも重賞で、2着2着1着となっている。

 騎手がらみでは、石山騎手と岡部騎手が話題だ。
 サイコーキララ騎乗の石山騎手は、ご存じ、一昨年の桜花賞馬であるファレノプシスの件がある。そのせいか否か、前走では早めに仕掛け、万全のレース運びをした。G1初出走で1番人気。最近の若い騎手には、このような状況をなんとも思わない奴らもいるが、石山クンはどうか?ひとつ、本番でも前走のようなレース運びでは危ない。トライアルで楽勝した馬が本番で負けるパターンは、我慢しきれずに早仕掛けをすることで、脚をためた馬に差されること。そういった意味では、シルクプリマドンナ、エアトゥーレの逆転も、十分にありえる。当然、本人も警戒していると思うが、勝ちパターンを本番で変える勇気があるかどうか。じっくり脚をためた場合、マークする馬の仕掛けも遅れ、先行した馬の前残りということ警戒すべき。
 レディミューズ騎乗の岡部騎手は、これもご存じ、桜花賞勝ちがない。年齢的なものもあり、おそらく、これが最後のチャンスではないか(←大きなお世話だけどね)。レディミューズの母は、これまたご存じ、シンコウラブリィ。名牝と呼んでも遜色のない成績を残した馬だ。で、これの鞍上も岡部騎手。母はマル外のためクラシック出走はなかったが、岡部に桜花賞の勝利をプレゼントできるか、と「競馬はロマン」派を喜ばせている。しかし、これだけ長い間、しかも岡部くらいになれば、そこそこの馬で出走しているのに未勝利ってことは、何かあるはずだ(根拠なし)。
 他にもある。武豊である。こと桜花賞にかけては、連対率5割という驚異的な数字がある。岡部とはえらい違いだ。最近では、フサイチエアデール(2人気2着)、ファレノプシス(3人気1着)、ダンスパートナー(3人気2着)、オグリローマン(3人気1着)。意外と、1番人気でないほうが連対している。武豊にとっても、2〜3番人気くらいが一番走りやすいかもしれない。で、今回は3番人気なのだ...

 実力馬の休み明けというのもいる。マヤノメイビーである。マイル適性だけとれば、おそらくサイコーキララと同等かそれ以上の器である。去年暮れの阪神3歳牝馬Sでも、強烈な追い込みで3着となっている。が、このレース後休養にはいり、今回は4ヶ月ぶりの実戦。記憶に新しい「スティンガー」事件(笑)を教訓とすれば、これは買えない。3歳チャンピオン+万全の調教=惨敗、を去年見ているわけだ。ましてや、阪神3歳牝馬Sを優勝ならまだしも、3着である。いくら抽選で出走とはいえ、今回は見送りであろう。


 まとめましょう。まず、サイコーキララ。将来性はともかく、現状では最も完成されている。石山クンのポカさえなければ、連は外さないでしょう。幸い、つつまれることのない外枠なので、その心配もなさそう。そして、さらに外枠、サイコーキララをばっちりマークできる2頭、エアトゥーレとフューチャサンデー。とくにフューチャサンデーは、あっさり勝ってしまう可能性を秘めた馬と見る。そしてそして、忘れられた実力馬、ベルグチケットを大抜擢。先の3頭がマークしあい、牽制しあった場合、先行からのなだれ込みが考えられる。あえて、もう1頭選ぶとしたら、スターバレリーナの妹、オリーブクラウン。本日、阪神10Rわすれな草賞では、スターバレリーナの娘、グランパドドゥが勝っている。って、それだけ?(2000.04.08)



第30回 高松宮記念(G1) 中京 芝1200M 3/26発走

●レース傾向

 去年に負けず劣らず、小粒なメンバーが揃い、さすがG2に最も近いG1といった特色を存分に醸し出しているであろうこのレース、人気はブラックホークとアグネスワールド。これに、マイネルラヴ、キングヘイロー、ブロードアピールあたりが続くであろう。
 レースのポイントとしては、中京コースということ。ご存じ、小回り平坦左回り。1200M&G1競争となった過去4年、勝ち馬の4角での位置どりを見てみると、1-6-2-4、となる。差し脚の際立ったマサラッキでさえ、4番手にいた。2着馬でも、4-1-6-4、と先行している。少なくとも、先行して抜け出すレースが出来ないと厳しいかも。
 過去4年の時計を見てみると、稍重で行われた98年を除いて、1分08秒以下の決着となっている。持ち時計は、意外と重要かも。ナリタブライアンの例を持ち出すまでもなく、生粋なスプリンター同士の決着となること必至。
 臨戦過程は、シルクロードSからが最多連対だが、今年から日程が変わってしまったので、これは当てにならない。シルクロードSからは中6週(去年までは中3週)、阪急杯からは中3週、フェブラリーSからは中4週。シルクロードSの最多連対が、中3週という理由であったなら、阪急杯組やフェブラリーS組が有利とも言えそう。(2000.03.21)

●ブラックホーク

 去年、秋のスプリント王。マイルがベストだと思われていたが、実はスプリンターであった、と結論づけるには早いかも。スプリンターズSでは、マイネルラヴに競られ苦しいアグネスワールドに対し、わずかクビ差で勝った。阪急杯は、メンバー的に楽だった。とはいえ、先行できる脚質、競馬センスには非凡なものがある。持ち時計も、まぁまぁ。中3週のローテーションも理想。ここまで順調に来ているということで、軸としては最適な1頭といえる。重箱の隅をつつくなら、中京コースが初ということ。また、左回りも、東京で2勝しているが、いずれも条件戦だということ。枠順はどこでもOKな感じ。まぁ、外枠のほうが競馬はしやすいのではないかと思うが、内枠だとしても、包まれるという心配はなさそう。(2000.03.22)

●アグネスワールド

 海外G1馬。なぜか、国内G1には縁がない。平坦巧者と思われていたが、去年のスプリンターズSでは、敗れたとはいえ、強い競馬をした。だが、平坦コースでこそ、そのスピードが存分に生かされると思う。そういった意味では、中京コースはもってこいなのでは、とも思ったが、なぜか左回りに良積がない。しかしなんと言っても、傷腫れで阪急杯を回避したというのがイタい。完全休は1日だけだと言うが、臨戦過程において順調さを欠いた馬は、かなり苦しいはず。ましてやG1なら、なおさら。こればかりは、鞍上の力でどうこうなるものではあるまい。(2000.03.22)

●マイネルラヴ

 あのタイキシャトルを、自ら潰しにいって勝ってしまった唯一の馬。ムラ馬のようだが、意外と堅実だったりする。とはいえ、最近は不調で、勝ち星からも1年近く遠ざかっている。グラスワンダーやキングヘイローの2着があったと思えば、タイキシャトルやシーキングザパール、アグネスワールドなどを完封していたりと、けっこうおもしろい。強いと思ったのは、昨年のスプリンターズS。調子が悪いといいつつ、アグネスワールドを執拗にマークし、自らも4着に粘り込んだ。本調子なら、本命になり得る実力馬。
 1週前追い切りでは、抜群の動きを披露。先日の追い切りも良かったらしく、これは完全に復調したと見てもよいのでは、と思わせる。(2000.03.24)

●キングヘイロー

 クラシック時は、主役級の評価だったが無冠。マイル路線に切り替えるも、やはりイマイチ。それでは、とダートにも挑戦したが、やはり甘くはなかった。で、再び短距離路線に戻ってきたという、あっちフラフラこっちフラフラの転勤族のような馬。出れば人気になるので、勝っても旨みはない。なので、普通に考えれば買わないのだが、もしや、こんどは、もしかしたら、と思わせるので、どうしても押さえてしまう人が多いのかねぇ。だから人気になるのかも...
 2000Mでは掛かるも、1200Mだとペースに乗れない。やはり、1600〜1800Mくらい、それもメンバーの揃わないG2やG3あたりが適レースと言わざるを得ない。後半追い込むも、前半ついていけないようでは、中京コースはキツい。エンジンがかかったとき、先頭の馬はゴールしているだろう。(2000.03.24)

●その他

 実力で、スギノハヤカゼ、ブロードアピール。上昇度で、タイキダイヤ、デヴァインライト。よ〜わからんのが、トキオパーフェクト。これに、トロットスターあたりまでが圏内かなぁ。前走、長期休み明けだったにもかかわらず、見所のあったのがスギノハヤカゼ。当日の体重、気配に注意。トキオパーフェクトは岡部への乗り代わりがプラス、かなぁ。コイツの出方次第では、レース自体が面白くなるかもしれない。隣同士となったアグネスワールドとの先行争いをどう捌くか。おそらく、武アグネスは2番手に控えると思うけどね。もしも、武アグネスが、後ろの横山ブラックを警戒して仕掛けが慎重になると、岡部パーフェクトの流れ込みにも期待できるカモ。(2000.03.24)



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