次期主力PDA考察委員会
PalmPilotを購入してから、はや5ヶ月が経ちます。もうすっかり体の一部となり、手放せない状態になっています。日本語化に始まり、メモリ増設、ROM焼き、赤外線通信によるHoSyncなどなど。メールもWebもできるようになりました。Graffitiも、特殊な文字を除いて、だいたい覚えました。スケジュール帳などは、かなり重宝しています。そう、立派な実用機となってしまったのです。これは、悪い意味ではないのですが、おもちゃではなくなってしまったということです。そう、おもちゃが欲しいのです。ここでは、次期おもちゃ、もとい、次期PDAの購入を考察します。
PDAとは、Personal Digital Assistance、つまり携帯情報端末のことです。日本では、ザウルスなどのペン入力タイプの総称っぽいけど、ここでは、小さい端末すべてを指すことにします。中にはミニノートなんかもあるけど、気にしない気にしない...
Psion Series5/ Winsows CE 機/ Winsows CE 機(Palm−size)/
PalmTop PC110/ Palmax PD−1000/ CASSIOPEIA FIVA
サイオンと読みます。イギリス製のPDAです。ヨーロッパではかなりメジャーな存在のようです。OSには、EPOC32というの携帯端末用の独自OSを採用しています。これは、マルチタスクの32ビットOSです。
タイプとしては、キーボード付きのハンドヘルドタイプ。液晶部分を起こすと、せり出してくるキーボードが最大の特徴でしょうか。そのキーボードも、小さな筐体に似合わず、デカいものが採用されています。外部インターフェースは、シリアルポートとコンパクトフラッシュスロット、それにIrDA。PCカードの使用には、別途PCカードアダプタが必要です。単3電池2本で駆動し、オプションでACアダプタも用意されています。ボイスレコーダを装備し、液晶部を閉じたままでの使用も可能です。
内蔵ソフトとしては、ワープロ、スケジュール、表計算、データベース、電卓、世界時計など標準的なもの。アドレス帳は、データベースを使用して作成します。また、OPLという開発環境を自前で持っています。OPLとは、BasicにC風味を付けたような独自の開発言語。Psion5上でのコーディング、コンパイル、実行が可能です。
通信は、専用モデムかPCカードアダプタ+カードモデムを使用します。ソフトは、WebブラウザとEメールが、添付CDに収録されています。PCとの連携は、Windows上で動くPsiWinというソフトととることができます。PsiWinは、やはり添付CDに収録されています。Macとの連携には、別途オプションが必要です。
惜しいことに本PDAは、英語版のみで、日本語版は発売されていません。有志により、日本語ソフトの開発が行われているようですが、まだまだ発展途上のようです。ただ、EPOC32の日本語化は、日本企業により、正式に行われています。ただし、EPOC32の日本語化=Psion5の日本語化、ではないようです。Psion5の日本語化は、まったくの未定のようです。他のどれにも似ていないデザインセンスや、絶妙なサイズなど、日本語さえ通れば、の思いが強いマシンです。うぅぅ、残念!!
WindowsCE2.0日本語版を搭載したPDAです。この中でも、キーボードを備えたハンドヘルドタイプと、手書き入力のパームサイズタイプがありますが、ここではハンドヘルドタイプを取り上げます。現在、NEC、日立、カシオ、HP、コンパックから発売されています。以前にも、WindowsCE1.0日本語版を搭載したマシンがありましたが、すぐにバージョンアップしました。この手のマシンは、ハードディスクを持たず、ROMにOSが載ります。すなわち、OSのバージョンアップにはROM交換が必要となります。1.0から2.0へのバージョンアップ(ROM交換)に対応したのは、カシオのみでした。搭載ソフトは、ポケットワード、ポケットエクセル、ポケットパワーポイント、アウトルック、IEなど。これらに、ハードメーカー独自のソフトが載ります。
各メーカーから、様々なものが発売されています。タッチタイプ可能な大型キーボードを備えているのは、モバイルギアII(NEC)とペルソナ(日立)です。このため、重量が800g程度となり、リブレットなどのミニノート並みになっています。カシオペア(カシオ)、コンパックは500g前後の小型タイプ。HPはこれらの中間です。ほとんどのものが、カラー液晶です。モノクロは、カシオペアとコンパックのみです。なお、コンパックは同様のマシンに、カラーとモノクロを用意しています。カシオペアを除き、モデムを内蔵しています。さらに、モバイルギアIIには携帯電話アダプタが、ペルソナには携帯電話&PHSアダプタが、それぞれ内蔵されています。また、HPとコンパック(カラーモデル)には、クレードルが付属します。コンパックを除き、コンパクトフラッシュスロットを装備。シリアルポート、PCカードスロット、IrDAは、すべてのマシンについてます。
PCとの連携は、最大の武器です。ただし、当然ながらWindowsとの連携になります。PCとの接続は、シリアル、IrDA接続の他、LAN接続にも対応しています。
カタログスペックは申し分ないのですが、どうも中途半端な印象を受けます。WordやExcelのデータがPCと100%互換でないこと、アウトルックを使用しないと使い勝手が悪いこと、カスタマイズの選定、などなど。疑問なのはインターフェース。なぜ、Windowsと同様でなければならないのか。このこだわりのせいで、操作性をかなり犠牲にしていると思われます。また、CPUパワーを必要とするOSらしく、非力なCPUを搭載しているカシオペアなどの動作は、かなり遅いものとなっています。もともと、携帯電話や家電製品などに使用するOSとして開発されたものらしいのですが、これも疑問に思えます。米国では、早くもCE2.1(CE PRO)が発表されたようで、先々が不安です...
パームサイズPCと呼ばれる、手書き入力タイプの WindowsCE 搭載機です。最近、日本語版が発表され、同OSを搭載したカシオペアE55というマシンが発売されます(した)。このマシン(以下、E55)について、述べたいと思います。
PalmIIIより、やや大振りな筐体に、バックライト付きの240×320ドット4階調モノクロ液晶、本体側面にダイヤル式のコントロールキー、前面に割り当て可能なアプリケーションキー、十字型カーソルキーを備える。外部インタフェースは、シリアル、IrDA、コンパクトフラッシュスロット。ボイスレコーダも装備。また、携帯電話&PHSアダプタを内蔵し、オプションのケーブルを使用することで、通信可能となっている。なお、本体にクレードル、ACアダプタが付属する。
ソフトは、手書きメモ、ポケットアウトルック、Webブラウザ、各種辞典、経路検索ソフトなどがROMに搭載される。ハンドヘルドタイプに搭載された、Word、Excel類は省略されている。
例のごとく、カタログスペックは申し分ありません。定価が 63、000円なので、かなりお買い得に映るのではないでしょうか。本国アメリカでは、PalmPilotシリーズがあったおかげで、かなり苦戦したようですが、日本ではどうでしょうか。個人的な推測ですが、最初は売れると思います。新しモノ好きが、こぞって買うのではないかと。ザウルスユーザは買わないでしょう。なぜなら、E55で可能なことは、すでにザウルスでも可能ですから。Palm/Pilotユーザは、間違いなく買わないでしょう。Palm/Pilotより使い勝手がよければ別ですが、それは英語版を見る限りありえないことと予想されます。それに、Macとの連携が不可能ですから。なお、パームサイズにも Proが発表されたようで、ハンドヘルドタイプと同様、先々が不安です...
別名ウルトラマンPCと呼ばれている、AT互換機です。630gの軽量ボディに、640×480の4.7インチカラー液晶、4MBのフラッシュROM、FAXモデム、IrDAポートなどを搭載した、なかなか魅力的なマシンです。ただし、ハードディスクは搭載しておらず、PCカードディスクで対応します。OSは、DOS/VがフラッシュROMに搭載されていますが、オプションでWindows3.1インストール済みのPCカードディスクも用意されています。
やりようによっては、Linuxが載るようです。ただし、乗り越えなければならない壁は高く、そして長いようです。T−ZONEミナミでは、Windows95搭載モデルが発売されていました。また、参考展示でしたが、BTRON搭載モデルもありました。小さくてもAT互換機ですので、あたりまえといえば、あたりまえなのですが。欠点としては、TypeIIIのPCカードディスクしか市販されていないため、PCカードディスクを使用すると、スロットが埋まってしまい、LANカードなどが使用できなくなることです。しかし、来年早々にも、TypeIIのPCカードディスクが発売されるようで、そうなれば、この問題も解決するものと思われます。いずれにしても、化石のようなこのマシンが、いまだ売られていること自体が驚きです。
台湾版リブレット。いわゆるミニノートタイプ。Palmaxという、主にPDAを作っている台湾の会社製です。サイズは214×124×37mm、重量は900g。リブレット70に近い感じです。CPUは「Cyrix Media GX」の 120MHz を積んでいます。 このCPUは、ビデオチップなどを統合したもので、安いのが特徴です。カシオペアFIVAにも搭載されています。メモリは、標準32MB、最大64MB。ハードディスクは、1.6GB。と、スペック的には一昔前と言わざるを得ません。唯一無二の特徴は、ポインティングデバイスが、ペンであることです。すなわち液晶画面は、必然的にタッチパネルとなります。もちろん、スライドパッドやトラックボールなどは備えてません。本体のインタフェースは、PCカードスロット、USB、IrDAをそれぞれ1基です。シリアルやパラレルなどの一般的なものは、付属のポートリプリケータに付いてます。バッテリーのもち時間は、1.5〜2時間(メーカー公称値)。実際には、もっと短いものと思われる。
OSは、Windows。95/98モデル(英語版)、中国版(9?)などがあるらしい。プリインストールソフトは、手書き入力ソフトとオンラインマニュアルのみ。リカバリCDは、付属しないとのこと。
はっきり言って、珍しモノ好きのためのマシン。買う理由がない。デザインがイカしてる、最小最軽量だ、バッテリーがめちゃめちゃもつ、BeOS搭載だ、など特徴があればよいのだが、ない。唯一無二の特徴であるタッチパネルも、富士通のビブロが搭載してしまったので、意味なし。UNIXを載せるにしても、タッチパネルのドライバなんかないだろうなぁ。せめて外見だけでも良ければと思うのだが、非常にヤボったいデザインである。リブレット100のほうが数倍マシ。T−ZONEで手に入るらしいが、展示はしていない。なぜかは、CD−ROM/FDドライブが未入荷、各保証なし、などに問題があるからだそうだ。それでも欲しい、と言えば買える。というのを書いた翌日、T-ZONEミナミ舘に展示してあった(12/20現在)。値段は、148,000円。実際触ってみると、リブレットより、やや大きいかなと感じた。驚いたのはキーボードのつくり。しっかり感があるというか、押した感じがつかみやすいというか。。。キー自身は小さいのだが、最高に打ちやすい。
とあるモバイル雑誌で紹介されていたのだが、「ポテンシャルは高い、日本語版の発売を望む」と書いてあった。対抗となるであろうリブレット100に比べ、CPU、メモリ、HD、などすべての面において劣っているのは明らかなのに、なにをもってポテンシャルと言っているのだろうか?手書き入力にしても、ビブロがあるおかげで、専売特許でもない。デザインにしても、ありふれた外見で、カラーバリエーションはあるものの(黒か紫)、VAIOを意識した配色(紫)だ。よい部分というのはキーボードの出来だが、これには個人の好みがあるため、いちがいに良いとは言えない。値段の安さが最大の魅力だろうか。この記事を書いた人は本当に触ったことあるの?と疑いたくなってしまう。
ここに、使用レポートがある。かなり苦労しているようだ...
A5ノートサイズのPC。ただし、奥行きが少し短い。重量は、840Kg。一部の WinCE機よりも軽い。これで、Windows98を塔載する。Cyrix社の MediaGXという統合チップを心臓部とし、ハイパーアモルファスTFTを使用した6.7型液晶モニタで武装。立った状態での操作を考慮したポインティングデバイスには、ジェスチャーオペレーション機能を採用している。本体のインタフェースは、USBポート、IrDAポート、PCカードスロット。その他は、オプションのポートリプリケータが必要。また、FDドライブ、CD-ROMドライブともにオプション。ただし、FDドライブはポートリプリケータ経由での接続となるため、両方とも購入しなければならない。
最近では、かなり気になっていたマシン。あの小ささで、800×600の解像度は感動ものだが、ちょっと見づらい。キーボードは、まあまあ打ちやすい。サムパッドと呼ばれるポインティングデバイスは、最悪のものだった。下から上へのスライドはいいのだが、その逆はダメ。ひっかかる感じがするのである。とても使えるのもではない、と思ったが、慣れれば使えるのか? 配色も、明かにVAIOに意識している。また、モデム内蔵タイプがあるが、モジュラーを直接差せず、専用のコネクタが必要。また、専用のFDドライブの接続にはポートリプリケータが必要。USB接続じゃダメなわけ?こういう細かい部分のツメがあまいんだよねぇ。本当に使う人の事を考えたのかぁ?WinCE機で養った部分が、まったく見えない。ま、そんなものあるのかと言われれば分らないけどね。
期待が大きかっただけに、ちょっとがっかりさせられた。だもんで、個人的な要望を言わせていただく。HDはモデム搭載機で3.2GBだが、2GBあれば十分。その分、安くしてほしい。メインマシンとして使うには多すぎるから。もし、メインマシンとしての使用も考慮しているのなら、なぜFDドライブやポトリがオプションなの?FDドライブはUSB接続にしてほしい。Win98が載ってるんだからね。また、標準で装備してもらいたい。ついでに、ポトリもUSB接続に。モデムだが、無理してでも、モジュラージャックを直接刺せるようにしてほしい。新しい試みとして、コンパクトフラッシュTypeIIスロットを装備、というのはどう?また、タッチパネルを装備し、スタイラスペンでの操作も可能としては?イメージとしては、Win98搭載のCE機という感じ。せっかく「CASSIOPEIA」の名を冠しているのだから、こいうのもアリという気がするが...
結局、800×600のディスプレイに力を注いだのね。本当にユーザが望んでいるようなマシンを作れるのは、SONYかCASIOだと思っていたのだが。。。ちょっと残念。